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複層ろ過のススメ

ろ過砂を用いる下降流式砂単層ろ過方式は、一般的なろ過方式として広く普及しております。しかしながら近年では藍藻類による臭気対策、クリプトスポリジウム症の集団感染予防や災害による原水の水質悪化を懸念して、処理水質の基準が強化されており、浄水のキーポイントである「ろ過」が浄水過程で担う役割はいまだ大きく、さらなる改善を求められています。

下向流式単層ろ過方式では日常的な洗浄でろ過層を一般的に20~30%展開させており、洗浄終了後には粒度の大きいものから小さい物へと順に沈殿することから、大きな粒子の上層に細かな粒子が成層されます。粒径の小さなろ材のほうがより微細な濁質粒子を除去することができるため、細かな粒子の層から通水すると、原水中の全ての濁質が表層付近だけで取り除かれ、ろ過層全体を有効に利用することができません。この現象は表層ろ過(表面ろ過)と称され、ろ層が2次元として機能するために閉塞が早く進行し、ろ過継続時間の減少や処理水質の悪化などの弊害が生じます。

しかし理想的には大きな濁質から小さなものへと順番に捕捉して、ろ過層全体を3次元的に有効利用することが望ましく、上層に大きな粒子が、下部に小さな粒子が成層する、いわゆる、逆粒度構成にすることが理想的です。そこで考案された方法が密度の異なる複数のろ過材を利用する「複層ろ過」です。これは【密度が小さくて粒径の大きなろ過材】と【密度が大きくて粒径の小さなろ過材】を同一層で利用することにより、逆洗後に理想的なろ過層が構成されるのです。

具体的にはろ過砂よりも密度が小さく粒径が大きいろ過材として【アンスラサイト】が利用され、逆洗後にろ過砂の上層に成層されます。またろ過砂よりも密度が大きく粒径が小さいろ過材として【ガーネット】が利用され、ろ過砂の下層に成層されます。これらの複数のろ過材を用いるろ過を【複層ろ過】もしくは【多層ろ過】と総称され、【ろ過砂】と【アンスラサイト】を用いる方法を【2層ろ過】として広く普及しており、さらに【ガーネット】を加えた【3層ろ過】も浄化能力を高めるために利用されております。

なお、砂単層ろ過と比較した複層ろ過の特徴は次の通りです。
●内部ろ過の傾向が強いためでろ層の単位体積あたりの濁質抑留量が大きく、ろ過効率が高い。
●濁質抑留量に対する損失水頭が低く、ろ過持続時間が長い。
●ろ過速度を大きくできる。
●ろ過水量に対する逆流洗浄水量の比率が高い。
●高速ろ過によりろ過面積を小さくできる。

トーケミでは、砂の単層ろ過よりも、アンスラサイトやガーネットを組み合わせた複層ろ過方式を推奨しております。

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