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高濃度除鉄除マンガン処理例

高濃度の鉄を含む場合の弊社のろ材を用いた地下水中の除鉄除マンガン処理の例を紹介します。
この現場は地下水を利用し、作業場の中水(雑用水)として使用していましたが、鉄が15mg/Lもあり、この水を使用するうちに場内が赤錆だらけになったことから、除鉄除マンガン処理装置を導入されました。
原水は下表のような値を示しており、鉄が15mg/L、マンガンも1.0mg/Lと非常に負荷の高い水でした。

原水の水質

項目 単位 数値 水道水基準
pH 6.2 5.8~8.6
mg/L 15 0.3以下
マンガン mg/L 1.0 0.05以下

処理水の用途は雑用水でしたが、目標値を鉄:0.3mg/L以下、マンガン:0.05mg/L以下との要求に応じて処理方法を検討しました。鉄が15mg/Lと非常に高い水であるため前処理として、第1塔目でトヨレックスF2による接触酸化法で鉄を除去し、2塔目で残留した鉄とマンガンをアンスラサイトとフェロライトMC3によって除去する装置を納入しました。
なお、納入前に試験を行ったところ、一部の鉄が酸化するとコロイド粒子になり、処理水に流出したことから、第2塔入口で凝集剤(PAC)の注入を行いました。凝集剤を注入すると粘性の強い凝着物が生成するため、除マンガンろ材であるフェロライトMC3に凝着物による汚れが付着しないようにアンスラサイトとの複層ろ過としています。

項目 第1塔 第2塔
ろ過器 φ1000mm×SH2440mm φ1000mm×SH2440mm
ろ材 充填量 トヨレックスF2:1.1m3 アンスラサイトe.s0.7mm:0.3m3 フェロライトMC3:0.8m3
ろ過速度 LV12.7m/hr LV12.7m/hr
薬品注入量 コンプレッサーでエアを注入 ろ過器入口で次亜塩素酸ナトリウムとPACを注入
逆洗頻度 12時間ごとに1回 1日1回

上記のような除鉄・除マンガン装置を納入した結果、鉄やマンガンを除去したことで下表や写真のように非常に清澄な水を得ることができました。
原水に含まれる鉄の大半はトヨレックスF2で除去できていました。実装置では第1塔の処理水で水道水質基準以下の0.2mg/L以下まで鉄を除去できていましたが、さらに第2塔でろ過することで0.1mg/L未満まで除去できていました。
マンガンは第1塔で0.75mg/Lと若干低減している程度でしたが、第2塔で0.05mg/L未満まで処理できていました。

左:第1塔直前の原水、中:第1塔の処理水、右:第2塔の処理水

項目 単位 第1塔 入口 第1塔 出口 第2塔 出口
pH 6.2 7.3 7.3
第1鉄イオン (Fe2+) mg/L 15.0 <0.1 <0.1
第2鉄イオン (Fe3+) mg/L 1.0 0.2 <0.1
マンガン mg/L 1.0 0.75 <0.05
遊離塩素 mg/L 0.5~1.0

今回の原水のように鉄やマンガンが多い場合でも、幾つかの処理方法を併用することで清澄な水を得ることができます。

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