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ろ過(粒状ろ過)

水に含まれる固形分を取り除くことを一般的にろ過と呼んでいますが、アンスラサイトやろ過砂などの粒状ろ材を用いた場合を、粒状ろ過と呼びます。この粒状ろ過は、緩速ろ過と急速ろ過の2種類に分けられます。

<緩速ろ過>
緩速ろ過とは、1日4~5mという非常に遅い速度でろ過を行うことにより、ろ材表層に濁質が蓄積されて、藻類や微生物群が増殖したりすることでゼラチン状の生物ろ過膜が形成され、この生物ろ過膜によって水の不純物を除去する方法です。ろ過速度は非常に遅いものの、濁質は生物ろ過膜によってろ別され、さらに微生物によって還元性の鉄やマンガンなどの無機物、有機物、アンモニアなどを酸化・分解除去するため、非常に清澄な水を得ることができます。緩速ろ過で使用するろ材はできるだけ粒径の細かい砂にしてろ過効果を上げる必要がありますが、あまり細かくしすぎると目詰まりしやすくなり、削り取り回数が増加することから、水道施設設計指針2000では有効径0.30~0.45mmのろ過砂が規格化されています。

緩速用濾過砂(×50)

<急速ろ過>
急速ろ過とは、1日120~720mという非常に速い速度でろ過を行い、水に含まれる固形分(主に懸濁物質)をろ材によって篩い分けしたり、ろ材に付着・沈着させたりすることで除去する方法です。急速ろ過は、ろ材という目の細かい篩いによって大きな粒子を濾し取っている(こしとっている)だけではなく、水に含まれる懸濁物質を凝集剤など添加によってろ材表面で電気的に中和することで付着させたり、ろ層表面に沈澱させたりすることで除去しています。そのため約10μmと非常に小さい微粒子もろ過で除去することができます。

※丹保憲仁、小笠原紘一:浄水の技術-安全な飲み水をつくるために-

急速ろ過で使用するろ材は、ろ過砂またはセラミックスが一般的ですが、濁質が多い場合はアンスラサイトを併用した複層ろ過が用いられます。なお、急速ろ過には懸濁物質の除去だけではなく、この他にも「接触ろ過による除鉄・除マンガン」「活性炭による吸着」「イオン交換樹脂によるイオン交換」「膜ろ過」など様々なろ過があります。

<ろ材の洗浄について>
急速ろ過の場合、水に含まれる固形分をろ材で除去していくうちに、ろ材に付着した固形分が徐々にろ層内部に溜まってきます。溜まった固形分は水流のせん断力によって剥離したり、ろ材に付着しきれずろ過水に漏れてきたりします。そのため、一定時間ごとにろ材を洗浄する必要があります。一般的には、ろ過とは逆方向から清水を流す、逆流洗浄(逆洗)によって、ろ過池やろ過器から捕捉した固形分などを排出させます。原水の水質や注入する薬品、長期運転などによっては、表面洗浄や空気洗浄を加えることもあります。
逆洗はろ材を20~30%展開させることで、最も性能的、かつ経済的な効果が見られます。逆洗は主にろ層上層部の濁質を除去することが目的となりますが、ろ材をほぐすという意味合いも兼ねています。そのため、ろ過を行う場合、定期的な逆洗が必要となります。

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